天理市三十八神社の鬼打ち行事 2022

2022年1月13日撮影

1月15日の小正月の前後はその年の五穀豊穣や厄除け招福を願って県内のあちこちでとんどや勧請縄掛け弓始めなどの行事が行われます。天理市藤井町の三十八神社では毎年1月13日に厄除けと五穀豊穣を祈願して鬼打ちが行われます。
普段、人は少なそうな集落ですが、この日は早い時間から大勢の人が神社に集まり境内や社務所で鬼打ちの準備が行われます。鬼打ちに使う的はもちろん、弓や矢、牛玉の御札や松苗などたくさんの神事に使う用具をみんなで作ります。この用具をみんなで作る姿が好きなので今年も見せてもらいに行きました。

2021年の記事はこちらから→ 天理市三十八神社の鬼打ち行事

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青竹を割って竹ひごを作り、それをかごめに編み上げて大きな的の骨組みを作ります。鍋で炊いた糊を刷毛で塗り半紙を貼っていきます。中央に「鬼」と書いた紙を貼ります。その下にぶら下がっている青竹は鬼の鼻ということらしい。

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境内では大きな火が焚かれています。この用具作りに関わっていない方はこの火のお世話をしながらお話をしています。焚き火を中心にとても穏やかな雰囲気に包まれていました。

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鬼打ちの的ができたようです。境内奥の石灯籠の前に設置されました。

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準備が整うと、まず神職が天地に矢を放ちます。
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引き続き長老が四方に矢を放った後、鬼と書かれた的をめがけて矢を放ちます。

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その後は、氏子や地域の人達が次々と鬼の的めがけて矢を放ちます。
矢が的にあたって歓声があがり、的を外して声援があがり、とても暖かい雰囲気の鬼打ちとなりました。

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鬼打ちで使われた矢に松苗を結わえて家に待ち帰ります。この矢を田の水口に立てると豊作になると伝わっています。