天理市三十八神社の鬼打ち行事

2021年1月13日撮影

今日は天理市の天理市藤井町の三十八神社で行われる鬼打ちを見せてもらいに行きました。天理ダムを過ぎたあたりから道路には昨日降った雪が残っていて、雪のワダチを踏まないように注意しながら藤井町に入っていきます。

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境内にはたくさんの竹が積まれて、行事で使う道具が作られている最中でした。

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年配の方と若い方が協力しながら手際よく作業がされていきます。

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境内の建物の中では、米を和紙で包み松枝を一緒にわらで結んで松苗が作られています。

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牛王と法印の御札です。三十八神社と東福寺と記されています。氏子たちは鬼打ちで放たれた矢とこの松苗と牛王の御札を家に持ち帰り、田んぼの苗代を作るときに水口にお守りとして挿すとのこと。

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境内では大きな焚き火が行われ、年配の方が世間話をしながら火の世話をしています。

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神社のお炊き上げなので古いお守りやお札も持ってきて燃やすらしく、火の中に変わった御札が見えました。「猪」とか「アライグマ」とか。そばの人に聞いてみると、畑を荒らす害獣を駆除すると駆除した証明として区が札を発行するようで、札には獲った動物の種類、獲った人の名、日付などが書かれています。

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境内では鬼打ちの的が作られています。竹を割いて作った薄い平ひごを六つ目のカゴメに編み上げて的の骨は作られています。その骨に和紙を糊で貼っていきます。手鍋で炊いた糊を久しぶりに見ました。

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全面に紙が貼られたら最後に「鬼」と書かれた紙を真ん中からちょっと上に貼り付けます。
竹の棒に縄を通したもので鬼の口を封じているのかと思ったのですが(禰豆子をイメージしました^^)、これは鬼の鼻と教えてくれました。

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鬼打ちに使われる弓矢です。弓は桜のかなり太い枝に苧(お)の弦が張られています。最近はこの苧を入手するのがとても難しく日本で作っているところが限られているようです。
矢は女竹(めだけ)のようです。こちらでこの竹をなんと呼ぶか聞きませんでしたが私の田舎ではメロダケかな。竹にスリットを入れて紙製の矢羽が付けられています。

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最初に神主さんが天と地に矢を放って鬼打ちが始まりました。

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続いて鬼に向けて矢を放ちます。

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若い神職が正規?の位置から矢を放ちます。

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その後は一般の人たちが次々と鬼の的に向かって矢を放っていき、そのたびに境内は歓声や笑い声で包まれました。