異質なものと共存できる組織

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k7743-13 / USDAgov

異質なもの、文化の異なる人を排除する社会や組織がある。同質の考え方の人たちが揃った組織では、なぜか技術者が育たない。そして、社会の変化への対応ができなくなる。組織として一時的なピークを迎えた後徐々に崩壊していくことになる。

10年、20年とずっと同じメンバーで仕事をやっているチームがある。ソフト外注も含めて、皆が阿吽の呼吸で仕事を片付けていく。最初に決められていた設計プロセスも、省略化されていき、設計ドキュメントが無くても以心伝心で仕事ができる。どんどんドキュメントやレビュー、さらにテストが省かれていく。プロセスがどんどん省かれアクロバティックな仕事プロセスに変わっていく。

仕事のプロセスが省略化されるにつれ、このチームの孤立化がますます進んでくる。外部からの未経験者はその組織に入れなくなり、直属の上司さえこのチームの仕事内容を理解することが難しくなる。

この段階まで進むと、チーム内からプロセス改善をしようにも、日常の仕事をこなすことでいっぱいいっぱいになっているので、プロセス改善に充当できる時間の余裕はどこにも残っていない。さらに仕事プロセスの形骸化が進んでしまい、自分たちの頭で考えて課題を解決することが難しくなってくる。歪んだ効率化を進め異質な文化を排除してきたために大きな負債を抱え込むことになる。

本来人は変化を避けるように行動する。安定したチームのメンバーを移動させることは一時的な生産性の低下を招くので、できたらやりたくないのが本音ではある。しかし、人が移動し、新しい風が入ってくることが、この先自分の組織をさらに成長させるのに必要なことなのである。