成果主義が高じるとリスクなんか取れなくなる

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Spartan 2017 - Picton NSW
Spartan 2017 – Picton NSW / bhockley

職場によっては、部下の数が少なくて、上司が部下の仕事のやり方を手取り足取り管理しているところもある。あるいは、自分がプレーイングマネージャーとしてのテーマを多数もっており、部下の仕事の状況など放ったらかしの上司もある。部下と上司の適切な距離というのは本当に難しいものである。

組織としては、メンバーの「やる気」や開発組織の「生産性」など目に見えにくいものより、「開発テーマの大きな遅延」や「管理不徹底」などで他部署から指摘されることを恐れる。今の人事評価システムの中では、担当するテーマで目立つミスをすることは致命的な痛手であるので、ミスが起こらないことを優先する。

プロジェクトを進めるにあたり、いままでのやり方を踏襲して発生する遅れは容認される場合が多い、逆に今までとはちがうやり方を採って遅れが生じると困難な立場に追い込まれる。プロジェクトのやり方を変えようとしてもセフティネットが見当たらなかったら、だれも敢えてリスク取ってやり方を変えようとはしない。

「成果主義」が高じると部下は上司の好きなやり方を無意識のうちに採用してしまう。