川西町吐田 油掛地蔵の地蔵盆

2022年7月23日撮影

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伸びやかに広がる水田の中に地蔵堂が見えます。ここは川西町の吐田、毎年7月23日に自治会の皆さんによって地蔵盆が執り行なわれます。

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祀られているお地蔵さんは「油掛地蔵」とよばれその言葉の通りお参りされる人々が油をかけるので真っ黒なお姿をしています。
お昼にこのお地蔵さんの前を通ったら、大きなサラダ油のボトルがお供えされていました。
このあたりは大和川と佐保川の合流地帯で、昔から洪水に悩まされてきた地元の人々が油が水をはじくことにちなみお地蔵さんに油をお供えしたと伝わっています。
また、クサ(できもの)が治るように願掛けする風習もあったようです。

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地蔵堂は田んぼを通る道が交差する角に立っています。この道は聖徳太子が、推古天皇の宮殿があった飛鳥小墾田宮(おはりだのみや)と自分が住んでいた斑鳩・斑鳩宮の間を行き来した筋違道(すじかいみち)とされていて、別名太子道(たいしみち)とも呼ばれています。

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日が落ちてあたりが暗くなり始めた頃、僧侶による地蔵盆のお勤めが始まります。

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夜の帳に包まれる水田の真ん中にぽつんと浮かぶ灯かりがとても幻想的です。静かな夏の夕暮れでした。