東大寺転害門しめ縄掛け替え行事 2021

2021年9月23日撮影

東大寺の転害門で4年毎に行われるしめ縄掛け替えが行われました。以前は雑司町、川上町の会所でしめ縄作りが行われ、できあがった注連縄をみんなで転害門まで担いだのですが、前回の掛け替えからは転害門広場で注連縄を作ることになったようです。

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朝早くから注連縄作りが行われているようで、10時頃に転害門に行くと古い注連縄はすでに外されていて転害門の広場は注連縄作りの真っ最中でした。

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しめ縄を作っているのは農家の方と思われ、稲わらや縄の取り扱いが流れるように手際よくずっと見入ってしまいます。注連縄の作成チームは大きく3つのチームに別れているようで、それぞれのチームが直径20cmぐらいの太さの縄を作って最終的にその3本を撚り合わせて注連縄ができるようです。

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4年間の風雨に負けないような強い縄を作らなければなりません。もち米のわらで作られた縄の外側を荒縄でぐるぐる巻きながら力いっぱい締めあげます。あまりに力を入れて締めるので荒縄が切れてしまうこともあります。

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転害門の注連縄には宇佐市の小学校児童が作った稲わらが入っていますが、一番最後に宇佐からの稲わらが稲わらが回転脱穀機で爽葉がきれいに処理されしめ縄に織り込まれました。

東大寺と宇佐市のつながりはとても古く、宇佐神宮の八幡神が大仏造立を守護するために奈良市の手向山八幡宮に鎮座する際、転害門から入ったといういわれがあります。毎年10月5日には手向山八幡宮の例大祭として転害会が執り行われますが、転害門では宇佐神宮の神輿を迎える神事や東大寺僧侶による法会が行われます。

子供の頃には足踏み式の回転脱穀機を見たのですが、小学生になる頃にはすっかり姿を消して発動機の脱穀に変わっていました。動いているのを見るのは4年に一度の転害門の注連縄の架け替えだけとなりました。(20秒の動画です)

 

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できあがったそれぞれの縄は、まず最初に2本の縄がなわれ、その2本の周りを3本目の縄がなわれていきます。

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最後にクレーンで注連縄を門にかけていきます。相手が国宝の建造物なので見ている方はヒヤヒヤしますがなれた手つきで作業が進みます。格好良く注連縄を設置するために左右のバランス、縄のたるみ具合や頭と尾っぽの跳ね具合などについてあちこちから注文が入ります。縄のバランスが決まったら紙垂とわらで作られた房が付けられて注連縄の架け替えが終わります。

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好天にめぐまれ4年に一度の注連縄の架け替えも終わりました。真新しい注連縄はとてもすがすがしく感じられます。