Nikon D850のフォーカスシフト機能で撮影し画像を深度合成してみました
お正月らしく先の見通しが良いように手前から奥までピントがあった戌の置物を撮ってみました。
Nikon D850にはフォーカスシフト撮影という機能があります。この撮影モードではカメラが自動的にピントを手前から奥に段階的に変化させて、焦点位置が異なる複数の画像を撮影することができます。これらの画像の焦点があっている部分をPhotoShopなどの画像処理ソフトで合成することで手前から奥までピントの合った”パンフォーカス”な画像を得ることができます。今回はこのフォーカスシフト撮影と深度合成を行いました。
フォーカスシフト撮影をする
まず、フォーカスシフト撮影でピント位置の異なる画像を複数枚撮影します。
後ほど複数枚の写真を合成することになりますのでこの撮影では三脚が必須です。
Nikon D850の静止画撮影メニューから”フォーカスシフト撮影”を選びます。
フォーカスシフト撮影の設定
設定項目 | 内容 |
---|---|
撮影回数 | 1〜300枚の設定ができます。10枚から20枚ぐらいが適量だと思います。また、撮影枚数を多く設定していてもフォーカスをシフトして無限大まで到達すると撮影は終了します |
フォーカスステップ幅 | レンズのシフト量を決めます。1〜10の数字があり小さい数字ほどシフト量が少なくなります。上記の撮影回数を撮り終えた時にピントが最も奥に合うように調整します。今回は9にしました。 |
待機時間 | 撮影の間隔です。ストロボを使う時はこの待機時間でチャージする時間を確保します。今回はストロボを使っていないので0秒でも良かったのですが3秒にしました。 |
露出平均化 | “する”にすると画像間の露出が大きく変わらないように自動的に調整されます。 |
サイレント撮影 | “する”にするとシャッター音なしで撮影ができます。 |
撮影は手前から奥に向かってピントをずらしながら行われます。撮影終了時はピントが一番奥に移動していますので撮影のたびにピントを手前に戻す必要があります。
ピントを戻すのを忘れて何回もピントの合わない画像を大量に作ってしまいました^^)
インナーフォーカスのレンズの場合ピントの位置によって画像の大きさが変わってしまいます。「インナーフォーカスのレンズでもちゃんと深度合成できるのだろうか?」と心配になる人もおられるでしょうがphotoshopが自動的に調整してくれるので全く問題はありませんでした。
ピント位置違いでこんな画像が10枚撮影できました。
手前ピントの写真
中央ピントの写真
奥側ピントの写真
Photoshopで深度合成をします
次にAdobe Photoshop CS6での深度合成の方法を説明します。もちろん古いPhotoshopでも、また最新のPhotoshopCCでも同様の機能があります。さらにはPhotoshop以外にも深度合成ソフトは有料、無料のものがあります。
ファイル>スクリプト>ファイルをレイヤーとして読み込むを選択して、
撮影したファイルを選択してレイヤーとして取り込みます。ソース画像を自動的に配置するにチェックを入れて[OK]します。
このようにファイルがレイヤーとして取り込まれました。
取り込まれたレイヤーをshift+クリックですべて選択して、メニューから編集>レイヤーを自動整列…を選択します。
レイヤーを自動整列のメニューでは[自動配列][自動設定]を選んで[OK]をクリックします。
つぎにメニューの編集>レイヤーを自動合成を選びます。
レイヤーを自動合成のメニューでは[画像をスタック]を選び[シームレスなトーンとカラー]をチェックして[OK]
このような手順で深度合成された画像が作成されました。
初めてフォーカスシフトを行うと操作が複雑に思われますが、2,3回試行錯誤をすることでかなり簡単に撮影できるようになります。
今回は物撮りで使ってみましたが、風景などでも積極的に使うと表現の幅がぐんと増えるだろうと思います。