東大寺二月堂修二会2020〜籠松明 お水取り 3/12〜

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3月12日の深夜(13日の午前1時半頃)に、「お水取り」という二月堂前の閼伽井屋(あかいや)にある若狭井(わかさい)からご本尊にお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。
この特別な日のため12日の松明は籠松明と言われる一段と大きな松明が使われ、11本の松明が練行衆とともに上堂します。

籠松明と韃靼(だったん)松明

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籠松明が、準備のために参籠宿所前の広場に降ろされてきました。籠松明は竹で編んだ籠を松明に被せたもので、全長約8m、重さ約60~70kgにもなります。

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修二会では大松明以外にも数々の種類の松明が使われます。こちらは午前3時頃から執り行われる達陀(だったん)で使われる松明です。松明の先端につけられている花のようなものは「ケズリカケ」といわれるもので、松明に火を点けやすくするため、木の先を薄く削って花びらのように反り返らせたものです。

籠松明上堂

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籠松明はあいの松明より30分遅い午後7時半ごろに点火されます。

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参籠宿所の細殿で点火された籠松明は、登廊の天井も焦がさんばかりに燃えあがります。童子はいつもよりゆっくりとした動作で、大きな松明の重さを確かめるように一段ずつ登廊を上がっていきます。

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閼伽井屋(あかいや)の屋根の4角に鵜の飾り瓦があります。これは遠敷明神の故事に登場する白と黒の二羽の鵜にちなんでいます。鵜の目線でみる籠松明を撮影しました。今夜、12日の深夜というか13日の未明、この閼伽井屋(あかいや)の若狭井(わかさい)からお香水(こうずい)をくむお水取りが執り行われます。

お水取り

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日付が変わって13日の午前1:30、多くの人が見守る中お水取りが始まりました。雅楽の流れるなか、筒状のお水取りの松明を先頭にした列が二月堂わきの階段を下りてきます。仏教とも違う、神道とも違うもっと奥の方にあるような荘厳な雰囲気に包まれます。この後咒師と堂童子らが閼伽井屋に入り若狭井からお香水(おこうずい)を汲み上げます。香水をくむ様子は秘儀とされています。

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二荷の水桶が閼伽井屋と二月堂の間を三往復して、お香水が内陣に納められます。

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閼伽井屋の前は照明がほとんど届かず目を凝らしてやっと人の動きがわかるほどです。isoを51200まで上げてなんとか姿をとらえることができました。

12日は修二会の一番長い日と言われており、このお水取りの後、大導師作法、咒師作法、達陀の行法、晨朝と行法が続きます。すべての行法が終わるのは午後4時ごろとなります。