室生向渕の龍王ヶ渕へボタンクサギを見に行きました 〜龍王ヶ渕のトンボたちも〜

2020年7月28日撮影。

龍王ヶ渕のボタンクサギの群生

宇陀市向渕の龍王ヶ渕に行くちょっと手前にボタンクサギがたくさん咲いているということをWEBで教えてもらい見に行ってきました。

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龍王ヶ渕に入る道のちょっと手前で、一層懸命探すこともなく視界の前にドーンとボタンクサギの群生が広がります。道路脇のナラかクヌギの林の中で木々の根元を覆い尽くすかのようにピンクの花が咲いています。

ボタンクサギは漢字では「牡丹臭木」と書くようです。花はアジサイに似ていてきれいな花なのでボタンと言われてもぜんぜん違和感はありませんが臭木(クサギ)って、なんとも可哀想な名前を付けられたものです。その葉や茎を折るとその名に違わずとてもクサイらしくて、なんかヘクソカズラみたいな名前の付けられかたです。撮影中臭いはそうでもなかったのですが臭いに誘われたのか大量の虫の集団に悩まされ続けました。

ボタンクサギ

林の奥まで咲いているボタンクサギを撮るためにNikon Z60のフォーカスシフト機能を使って撮影しました。フォーカスシフト機能を使って少しずつピントを動かした画像を10枚ぐらい撮影します。後処理でパソコンでそれぞれの画像のピントの合っている部分で画像合成することで手前から奥までピントの合った画像を作ることができます。詳しい方法はこちらをご参考に→Nikon D850のフォーカスシフト機能で撮影し画像を深度合成してみました
パソコンの画面は解像度が少なくピントの合い具合がわかりにくいので画像の奥側と手前を等倍に拡大してみます。

ボタンクサギ 3

これは奥側の拡大です。

ボタンクサギ4

ボタンクサギ5

こちらが手前側の拡大です。20〜30cmぐらいの手前から、10m以上の遠くまでぴしっ〜っとピントが合っていることがわかります。

しばらくボタンクサギの群生で撮影したのですが、暑さと虫の多さに負けて龍王ヶ渕に移動しました。

龍王ヶ渕のトンボたち

龍王ヶ渕に行くと、動画撮影のグループが白いロングドレスのモデルさんを使って撮影を行っていました。スティルの撮影だったら声をかけてじゃまにならない位置とかタイミングで自分の撮影ができるんですが、動画撮影はそんなわけには行きません。カメラをパンさせた時にきれいなモデルさんの向こうにむさ苦しいおっさんが写ってしまったらせっかくの画像が台無しですからね。

そんなわけで龍王ヶ渕の遠景撮影は後回しにして、近くのトンボを追いかけてみました。

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水面のヒシの葉に止まったイトトンボ系のトンボです。クロイトトンボと思われます。

200mmのズームレンズをいっぱいに伸ばして撮影した画像を大胆にトリミングしています。パソコンな画面ならなんとか見れますがプリントするには解像度が不足しています。

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連結して産卵しているトンボで、ベニイトトンボだと思われます。龍王ヶ渕はトンボの大繁殖地ですので産卵風景はよく見ることができます。メスは赤みが少なく褐色が多いことがわかります。

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こちらのトンボは赤トンボの仲間のマイコアカネでしょう。顔面の青白色が特徴的です。

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こちらも赤トンボ系で全身が真っ赤です。ショウジョウトンボだと思われます。

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やっと撮影したかったチョウトンボを見つけました。緑青色の幅広い翅が特徴で、前翅に比べ後翅のほうが広く、前翼(カナード)を持つ飛行機のように見えます。
飛び方も普通のトンボとは違って蝶のようにひらひらと方向を変えるので、気まぐれに飛んでいるような印象です。
翅の緑青色はまるでチタンコーティングされているかのように見る角度や光の当たり具合で色が変わります。翅が持つ色素の色ではなくて、翅表面の微細構造で光が干渉して見える構造色です。
動画撮影のおかげでゆっくりトンボを撮ることができました。