品質確保のために充分な投資をする

最終更新日

Peer Review
Peer Review / AJC1

ソフトウェウェアの品質を確保するために,設計レビューやテスト工程は非常に重要な役割を持っています。しかし、いくらすばらしいレビューやテストを実施したところで、もともとデキの悪い設計をすばらしい設計に立ち直らせることはできません。品質の悪いソフトウェアはいくらテストをしても品質は上がることはまずありません。ちょうど文章の校正作業をいくら時間をかけて行なっても、もとの駄文から名作が生まれないことと同じような話です。

設計レビューやテストの意義は、プロジェクト期間を通して定期的に実施することで、プロジェクトの初期段階で欠陥を発見することができ、プロジェクトの後半でのやり直し時間や費用を削減することにあります。この初期段階でのレビューやテストに充分な時間や工数を投資できないと、プロジェクトの後半や、市場にリリースした後に級数的に多大な費用と時間を投入するという惨事が起こります。

システムが大規模で複雑であるほど、そのシステムのビジネス価値が大きければ大きいほど、設計工程への投資、そして設計レビュー、テスト工程への投資をケチケチ渋ってはいけません。さもないと、プロジェクトの終盤で、スケジュール、スコープ、品質、開発コスト、リスクのトレードオフで苦しむことになります。