設計レビューの人数が多すぎではないですか

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7th Annual Fuller Landau Cedars Cansupport Dragonboat Festival 2011
7th Annual Fuller Landau Cedars Cansupport Dragonboat Festival 2011 / Fuller Landau Montreal

開発プロセスの上流から下流までの工程別に必要な人の数を考えると、一般的には上流は少ない人数で仕事がこなせるのですが、中流、下流と進むほど多くの人数が必要になってきます。メーカとしてはより低コストな組織を追求しますので、開発業務のIT化を進めたり、業務をよりコストが安い社外や国外に委託するOEM/ODMなどが積極的に行われています。

それらIT化やOEM/ODM化の対象となる仕事は、より標準化が進んだ工程や多くの人数が必要な工程ですから、必然的に開発プロセスの中流から下流の工程がターゲットとなります。IT化やOEM/ODM化が進むと今までその仕事をしていた多くの技術者の仕事がコンピュータやより給料のやすい技術者に取って代わられることになります。

ところがこれらの施策を行ってもコスト構造が思ったほど下がらないことが起こります。日本の会社では仕事が無くなった技術者を簡単に解雇するわけにもいきませんので、中流、下流工程での仕事が無くなった技術者は今度はスタッフとして新しい仕事を得るからです。

IT化やOEM/ODM化で、設計レビューは今までに比べてレビュー対象となる成果物がかなり減っているのですが、逆にレビューワーの人数が増えていることがあります。たとえば、従来5,6人の設計者に対して2,3人のレビュワーにより設計レビューが行われていたものが、2,3人の設計者に対して7,8人のレビューワーが集まることがあります。スタッフ側にジョブチェンジした技術者がレビュワーの人数を押し上げるのです。これではIT化やOEM/ODM化を行って低コスト化を推進した効果が出てこないのも無理がありません。

メーカーとして競争力を維持向上するために、より低コストの組織構造に変化していくことは重要な事ですし、その方策として業務のIT化やOEM/ODM化の取り組みも今後一層必要になってきます。ここでの重要なポイントはこれらの施策を講じた後、組織コスト構造が目標に近づいていることを検証することです。 開発テーマごとにそれに携わるメンバーの人数とフォーメーションを計測しましょう。