自動ブレーキを用意してプロジェクトの事故を防ぐ

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GoKarts 0710 1851
GoKarts 0710 1851 / Ross Elliott

立ち上げに時間がかかりすぎてなかなか動き出さないプロジェクトは厄介ですが、それよりももっと厄介なのは危険が目前に迫っていてもだれもそれに関心がなくプロジェクトの進行を停止することができないことです。できるなら自分だけは関わりたくないものです。

プロジェクトを中断するときに、いままでいくら投資したのか(死んだ子どもの年を数える)マネージャーがいますが、今まで投資した金額より、このプロジェクトを継続したときに得られる利益を考えるべきです。プロジェクトを継続するより他のプロジェクト立ち上げたほうが利益が出るようでしたらこのプロジェクトは中断すべきなのです。

いままでの投資額に見合うようにプロジェクトにあれこれと機能を追加しようとするマネージャーにも出会いましたが、小手先の機能追加はテーマの価値を上げるものではなく、更にプロジェクトをひどい状況に追いやるだけです。

一般的な商品開発のプロセスの中には複数の品質ゲートが設けられています。これはできるだけ早い段階で見込みの無いプロジェクトの中止することで組織を致命的な損失の発生から守る安全ガードの意味合いがあるのです。このゲートがうまく機能しないと、せっぱ詰まった状況の中でプレッシャーに押しつぶされそうになりながら中断するか継続するかの苦しい判断を行うことになります。判断をためらっているうちにどんどん被害が拡大し、プロジェクトのスピードが加速して、一人の力でプロジェクトを止めることができなくなります。

プロジェクトの計画時に、プロジェクトを停止するための自動ブレーキを設置しておきましょう。プロジェクトのGO/STOPの判断タイミングと、判断基準をあらかじめ計画の中に入れておくのです。そしてプロジェクトのブレーキはあなただけが持っていてはいけません。プロジェクトのメンバーにブレーキの操作方法を説明し、危険が迫った時にはメンバーの誰もが操作できるように準備しておくことが重要です。