御所市野口神社の汁掛け祭、宇陀市白山神社のオンダ祭り
2025年5月5日撮影
御所市蛇穴(さらぎ)の野口神社で行われた汁掛け祭りと宇陀市野依(のより)のおんだ祭りを拝見しました。蛇穴は奈良県の難読地名の一つで(さらぎ)と読みます。毎年5月5日に野神行事である汁掛け祭りが行われます。
過去の投稿(2024年05月)→御所市蛇穴の蛇曳き汁掛け祭り
野口神社の汁掛け祭
奈良盆地には水を司る神様である「野神」さんを祀る風習があり、稲作が始まる5月頃から各地で野神行事が行われます。ここ野口神社には昔役行者に恋心を抱いたあまり蛇の姿となった娘を味噌汁をかけて退治したという言い伝えがあります。
11時頃に野口神社に行くと、すでに境内には藁(わら)で作られた大きな蛇綱(じゃづな)が横たわっていました。
神事が始まり、宮司さんが故事に倣って大鍋の味噌汁を蛇に勢いよくかけます。
神事の後境内では参加者や見物客に味噌汁やおにぎりが振る舞われます。このおにぎりや味噌汁は神社の氏子だけでなく興味本位で写真を撮りに来たカメラマンにも振る舞われ、毎年ありがたく頂いています。
12時頃、太鼓と笛に先導されて蛇綱が神社を出発し町内を練り歩きます。
蛇綱は古い集落の中狭い道をあちこち練りまわるので、行列について歩いているとどのあたりを歩いているのかわからなくなります。途中に蛇曵きの経路を示したマップがありました。あちこち隈無く巡っているのがよくわかります。
このあと4時ころまで蛇曵きが行われるのですが、野依のオンダ祭りを見るために途中で失礼させてもらいました。
野依のオンダ
同じ5月5日に宇陀市野依(のより)の白山神社ではオンダ祭りが催されます。
五穀豊穣を願い田作りや田植えの所作をするところは他所のオンダ祭りに似ていますが、主役となる3人の早乙女(しょとめ)を男性が化粧をし、赤い腰巻きで女装して行うのが特徴です。初めて見た時はとても違和感があるのですが不思議に何回も早乙女の所作を見ていると慣れてきて当たり前の光景に見えてきます。
間炊(けんずい)桶を背中にしょって老女が現れます。田男の口元にお椀としゃもじを近づけて食べさせる振りをすると、田男は「わっ」と大きな声でそれに応えます。
子どもたちは、田主役の大頭や早乙女の演技の最中に後ろから背中や尻を押したり裾をめくったりいたずらをします。演者も観客もみんなで楽しめるほのぼのとしたオンダ祭りでした。









