東大寺修二会2025〜尻つけ松明から満行下堂まで〜
2025年3月14日撮影
二月堂修二会もいよいよクライマックスを迎えました。
今日は最後の行法の日なので様々な行事作法が執り行われます。食堂作法、日中あたりはいつもの時刻ですが三度の案内、初夜上堂は30分早く行われ、上堂松明も松明が上がる間隔が短く10本の松明が短い間隔で立て続けに上がります。その様子から「尻つけ松明」と呼ばれています。
10本の松明が同時に打ち振られると、舞台から大きな火の粉の滝が流れ落ち最終日にふさわしい豪快な光景が広がります。
この尻つけ松明が終わると結界が外され、服忌(ぶく)に当たる人も境内に入れるようになります。
二月堂堂内では初夜、半夜の勤行、手水を挟み後夜、達陀、晨朝と行法が行われていきます。参拝者はその様子を見守るだけでカメラでの撮影はできません。
日付が変わった1:30ごろ「只今上堂」「只今上堂」という加供の声があり練行衆が登廊を早足で上がってきます。
上堂した練行衆は法会終了の結願作法を勤めます。すべての作法を終えると、須弥壇の椿南天などの供華や壇供、荘厳具を片付けます。
達陀松明です。
椿の造花です。この後参籠宿所に持ち込まれ童子によってほどかれるようです。
咒師神所
惣神所。練行衆は大導師を先頭に二月堂に祀られている鎮守三社を巡拝します。
満行下堂。厳しい行法をすべて終えられた練行衆が牛玉箱をくくりつけた牛玉杖を持って二月堂を降りていきます。額には、すべての行を終えた印の牛玉宝印が見えます。
今日は二月堂修二会をぎゅっと濃縮したような密度の高い一日でした。見たもの、聞いた音、かいだ匂い、いろんなものが消化されないまままだ頭の中に残っています。以前は上堂松明を見ることに重点があったのですが、最近は二月堂で行われている行法を拝見することに重心が移ってきています。見れば見るほど私の中でわからないことが増えて行くので困っています。今年もしばらくの間は修二会ロスになるんでしょう。