明日香村栢森の綱掛神事〜女綱の掛け替えを見てきました〜

新しい年を迎えると奈良県のあちこちで勧請縄の掛け替えが行われます。1月11日に栢森の女綱の掛け替えを見てきました。

勧請縄は地域の境に張られる注連縄で地域の外から入ってくる悪しきもの(疫病や災厄)を追い払うための結界のようなものです。明日香の勧請縄は飛鳥川の下流の稲渕地区の男綱と上流の栢森地区の女綱が対となって張られていることでよく知られています。

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午後に集会場を訪れるとすでに村の人達が集まっておられ手際よく縄がなわれていきます。

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この日はこの冬一番の寒い一日で強い吹雪が吹き荒れました。所定の長さまで縄がなえると運びやすいようにくるくる巻かれていきます。

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こちらでは勧請縄の真ん中に吊るされる女性のシンボルが作られています。

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作り上がられた勧請縄はお坊さんの先導で村の人達によって飛鳥川まで運ばれます。同じ飛鳥川に掛ける勧請縄なのですが稲渕の男綱では神事として神主さんが執り行いますが、ここ栢森ではお坊さんが仏式で行うのが興味深いところです。

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周りの山の木々にすっかり雪が積もりました。静かな雪景色の中、飛鳥川に沿った道を勧請縄が運ばれていきます。

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そろそろ辺りが薄暗くなり始めた頃、お坊さんの読経で福石でのお参りが始まりました。

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勧請縄は1時間ほどで新しい縄に掛け替えがされました。
本当に寒い一日でしたが、雪中の勧請縄の掛け替えは粛粛とした雰囲気に包まれていて、新年にふさわしい清々しい気持ちになりました。