斑鳩の春うららレンゲ畑を歩く

2025年5月4日撮影
春うらら、陽気の中斑鳩の里を歩いてみました。このあたりは法隆寺五重塔、法輪寺三重塔、法起寺三重塔と斑鳩を代表する三つの塔が遠望でき、広々とした空が広がる田園風景が楽しめます。

レンゲ畑の向こうに法輪寺三重塔が見えています。
昔若かった頃、亀井勝一郎の「大和古寺風物誌」を読んでこのあたりをウロウロしていたものです。その中の「塔について」の章にはこのような記述があります。

「ああ塔がみえる、塔がみえる」――そう思ったとき、その場で車をすてて、塔をめざしてまっすぐに歩いて行く。これが古寺巡礼の風情というものではなかろうかと思う。
-中略-
法起寺と法輪寺の塔を望見したことがあったが、陽炎かげろうのなかに二つの塔が幽かすかに震えているのをみてこの感を深うした。

この文章は、斑鳩三塔周辺の魅力を余すところなく表現している文章だと思います。

その頃はこのあたり一面がレンゲ畑だったように記憶していますが、今ではごく限られた田んぼだけにレンゲの花が咲いています。稲作農家は稲の肥料となる窒素成分を得るためにレンゲを育成して春先に田にすき込んでいました。最近は化学肥料が発達してそんな面倒なことをする農家は激減しています。

農道には軽トラがよく似合います。

斑鳩から少し移動した大和郡山の田園地帯に移動しました。切妻の大きな屋根が美しい大和棟のお家の庭先で鯉のぼりが悠然と泳いでいました。