壁の向こうで作られたルールは形骸化する

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Pride London Parade, July 2011
Pride London Parade, July 2011 / Nichole_Rowbottom

プロジェクト管理のルールがなかなか定着しない、会社で規定されたルールが形骸化している。
ルールを守っても守らなくてもプロジェクトの成果に何の影響もない、いやむしろルールを守ったほうがプロジェクトの足を引っ張るのであえて無視するエンジニアがいる。いろいろ困った状況が見られます。

組織の中でルール破りが頻発しているなら、すぐに何らかのアクションが必要です。大事なのはプロジェクトの中で他社優位性を作り出している工程です。お客様がお金を払いたくなる価値を生み出している現場を観察して下さい。

現在のビジネスにまったく合わないまま昔のままのルールが放置されていませんか。ルールを作った当時から、要求される品質や製品化のスピードが段違いに高いものになっています。メンバーは最新の技術スキルやマネジメント手法を使いこなせますか。

ルールに書かれている内容と現場の状況がそんなにずれていなければルールを守ろうとがんばることができます。しかしあまりにルールと現状とかけ離れていると現場はルールを捨てて現実を優先します。さらにそれが自分たちで作ったルールではなく、壁の向こうの他の部署が作ったルールであるなら、あっさりとルールは捨てられる運命にあります。

プロジェクトはルールを守るのが最終の目標ではありません。ビジネスゴールに到達することをめざすべきです。ルールを守るとビジネスゴールを達成することが難しいようなら、「ビジネスゴール」と「現場の現状」と「ルール」を突き合わせて矛盾を解消しましょう。現場の現実に合わせて現場の手でルールを作りましょう。

もし、現場でルールを作る力がなかったら、プロセスデザイナーや品質管理の専門家を現場に送り込んでルールを作らせて下さい。決して現場から離れた壁の向こうでルールを作らせてはいけません。