薬師寺花会式 2023〜神供と鬼追い式〜

2023年3月31日撮影
薬師寺の花会式(修二会)の最終日、結願(けちがん)の日を迎えました。
結願の日は鬼追い式などの様々な法要が行われ、それを見るためにたくさんの参拝者が来られます。

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初夜の行法は19時から行われますが、初夜の行法に先立ち神供(じんぐ)が行われます。18:30頃、練行衆たちが上堂されました。

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金堂東側で咒師が神々を勧請して満願成就を祈願する作法が行われ、横一列に並んだ練行衆が松明を手に般若心経を唱え、松明をくるくる回し夜空に放り上げます。

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この日の初夜の行法は結願法要なので金堂内には入れませんが、金堂の扉を開いてくれますので金堂の正面から参拝することができます。

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結願法要が終わり20:30頃中門には5匹の鬼たちが松明を持って勢ぞろいします。いよいよ「鬼追い式」が金堂前で始まります。

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鬼が中門に並んでいる頃、金堂前では咒師が剣を持って四方に走り鬼追いの会場を浄めます。コロナ禍の間は金堂前に舞台が組まれていません。このように見やすくなった咒師作法も今年までで、来年からは舞台が復活すると思われます。

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鬼追い式が始まり、松明を持った5匹の鬼たちが大きな声を挙げながら暴れまわります。奈良の伝統行事ではあちこちのお寺さんで鬼追いの行事がありますが、凶暴さでいうと薬師寺さんが一番だと思っています。

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以前の舞台ではなく平場で松明を振り回して暴れまわるものですから、参拝客の頭の上から火の粉が降ってきます。

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鬼面を被ると前が見えにくいのかもしれません。会場のフェンス関係なしでこちらに突進してきます。危なくなると後ろのお坊さんが鬼の腰を持ってブレーキをかけます。

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鬼たちの暴れっぷりが最高潮に達した頃、薬師如来のお力を受けた毘沙門天が現れ鬼追いの会場を松明を持って回ります。
毘沙門天は勇ましく鬼を退治するのではなく、とことこと歩くだけなのでどこかユーモラスな動きですが効果はてきめん。徐々に鬼が鎮まっていきました。鬼追式は21:00頃に終了しました。