東大寺二月堂修二会2023〜食堂作法〜

2023年3月7,10,14日撮影

修二会が行われている二月堂、お昼時に行くと食堂作法(じきどうさほう)が見られます。
行中の練行衆の食事として毎日正午からの食堂(じきどう)があり、厳格な作法とお祈りとともに食事をされます。この食堂作法も連綿と古いしきたりや所作が受け継がれています。食堂の内部は見ることができませんが、食堂の周りで撮影した写真を集めてみました。

DSC 5064 DxO

食堂作法まであと40分。食堂前に作法を外から見ようと参拝者やカメラマンが集まってきました。仏餉屋 (ぶっしょうや)の外は人の動きで少しざわつき始めましたが建物の中では練行衆の食事の準備が静かにすすめられています。

DSC 3456

正午の鐘を合図に、平衆の練行衆が数珠を摺りながら走って食堂に向かわれます。

DSC 1972

この後食堂内では厳粛に食堂作法が執り行われているのですが内部の様子は見ることができません。20分ほど経過した頃、堂童子さんが食堂の西扉を少しだけ開けて「あらいくもぉ〜」と外にいる童子に声をかけます。あらいくもは「洗い湯汲もう」が転化した言葉ということで、童子さんに白湯を運び入れる合図を送る所作です。

DSC 3517

食堂作法が終わると、練行衆は南の出仕口から退堂します。このとき行うのが生飯(さば)投げです。これは鳥獣たちへ食物をほどこす意味合いの習わしで、残したご飯を懐紙に包み、退堂する際に閼伽井屋(あかいや)の屋根の上に投げ上げます。少年の頃野球をやられていたのでしょうか、美しいフォームで生飯を投げ上げておられます。

DSC 5303 Edit

食堂作法が終わる時刻になると閼伽井屋の周りにカラスが集まってきます。生飯投げが行われる時刻を知っているのでしょう。
屋根に乗っているご飯をくちばしに挟みどこかに飛び去っていきました。