平城宮跡をゆっくり散歩 〜第一次大極殿院南門の復原工事〜

2021年9月6日撮影

毎日続くうだるような厳しい暑さもようやく終わりを迎える季節です。日中の気温を見ると「晩夏」というにはまだまだですが朝夕は少し涼しくなったように感じられます。今日は夏の終わりを感じたくなって平城宮跡を散歩することにしました。時刻は16:30を回ったところです。

DSC 8802

朱雀門から歩きはじめました。この暑い中日陰の少ない平城宮跡を歩こうという酔狂な人はいないようで、朱雀門ひろばには誰もいません。拍子抜けするぐらい閑散としています
いつもすれ違うウォーキングの人たちはもう少し遅くなってからやってくるようです。そして朱雀門ひろばよりもっと北側の周回道を歩くのでしょう。

DSC 8807

朱雀門から近鉄の踏切を越えて東側の草が茂っている道を歩くことにしました。足元を見るとヘクソカズラが花を付けています。万葉集でも一句ヘクソカズラが登場しています。

皀莢(ぞうきょう)に 延(は)ひおほとれる 屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく 宮仕(みやづか)へせむ
高宮王(たかみやのおおきみ) 『万葉集』巻十六3855

きれいな花なのですが、その臭いがくさいのでこのような名前が付けられたのですがいかにも可哀想な名前です。「へ」だけでもどうかと思うけどさらに「くそ」まで付けられてあまりの仕打ちではないでしょうか。私の知る花で3大可哀想な名前は「ヘクソカズラ」と「イヌノフグリ」、そして「ボタンクサギ」ですが、並べてみるとヘクソカズラへの仕打ちが一番ひどいと思います。

DSC 8829

平城宮跡の中央部あたりまでやってくると復元工事中の第一次大極殿院南門が見えます。大極殿院建造物の復元整備事業は2011年から始まり、来年2022年にはそのうちの南門が復元されてデビューします。先日から南門を覆っていた素屋根が少しづつ東側に移動して南門が見えてきました。

DSC 8841

西側から見た南門の容姿です。
国営飛鳥歴史公園事務所のWebの説明によると「第一次大極殿院の正門であり、儀式の際には、天皇が出御することもありました」とあります。南門は朱雀門と大極殿の間に位置しており南門からまっすぐ東に進むと一条通を通ってそのまま東大寺転害門に到達します。(これは私の友達の発見です)
平城の都から天皇が東大寺に参拝する時はこの道を通ったに違いないと想像が膨らみます。

この季節は平城宮跡のツバメの塒入りのシーズンでもあります。
過去の平城宮跡のツバメの塒入りの写真はこちらから
2019年 平城宮跡のツバメのねぐら入り
2018年 奈良・平城宮跡 ツバメのねぐら入り

 

DSC 8901

今年は嗜好を変えて例年とは違う場所からツバメのねぐら入りを狙ってみたのですが見事に撃沈。待っていた場所はツバメの帰り道じゃなかったようです。ということで、ちょっと寂しいツバメのねぐら入りとなりました。