利益をあげるにはプロセスの中間成果物を計測する

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Taylor Larch-Miller passes the baton to Nikki Larch-Miller
Taylor Larch-Miller passes the baton to Nikki Larch-Miller / SD Dirk

入社して以来ずーっと成熟産業で働いていると、利益を上げろと言われたら反射的にコスト削減を検討する、あるいはスピードアップと言われたら無駄に見える開発プロセスの一部を省略することを考えはじめます。しかし小さな業務改善を積み重ねても利益やスピードが飛躍的に向上することはほとんど期待できません。

部分的なコスト削減やスピードアップを行っても、後工程で仕事の渋滞が起こるようでは改善の効果出てこずに、かえってロスとなります。

プロセスが動いているとお金を生みますが、止まっているプロセスではお金は生まれません。仕事がオーバーフローしている設計部門に届けられる大量のソフト仕様書、読む人のいない詳細な設計ドキュメント、テスト待ちのプログラムコード、このような中間成果物はあとの工程がその成果物を使って製品を開発して初めて価値を生みます。

中間成果物の量を計測しましょう、中間成果物が停滞している時間を計測しましょう。計測すれば処理が停滞しやすいボトルネックの工程がわかり、対策を考えることができます。

プロジェクトが停滞するのは、後工程の処理能力を考えずに仕事を投入するからです。
ひとつの工程が停滞し始めると、その停滞がどんどん伝染していき、入力待ちのタスクが増えていき、プロジェクト全体のパフォーマンスが落ちていきます。

利益を確保するとか、スピードアップすると言うような基本的な改善は、それぞれの部門の局所的な改善を積み重ねても効果は出にくいということです。