2019春日若宮おん祭〜お渡り式〜

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2019年12月17日撮影

おん祭のお渡り式はお旅所におられる若宮様のもとへ、長い行列をなして祭礼関係者や様々な芸能集団がお参りするおん祭のメインとも言える行事です。
馬五十頭、奉仕者一千名といわれるお渡り行列は県庁前の登大路園地から大宮通りを西へ進み、油阪交差点からJR奈良駅前へ達した後、そこから三条通を上り春日大社の一の鳥居を越えてお旅所をめざします。

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お渡り式は12時から始まるのですが、最近は少し早めに出かけて飛火野に立ち寄るのが毎年のパターンとなっています。お渡り式では50頭近くの馬が参加しますが、近畿、中部、中国など各地から馬が集められ、馬は長い距離を馬運車で運ばれてきます。奈良公園についた馬は飛火野で馬運車から降ろされ、お渡り式のウォーミングアップを行います。おん祭装束に着替えた騎手が飛火野の草原を馬で駆ける姿を見ているといにしえの大和朝廷時代にタイムスリップしたようです。

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こちらの騎手はかなりのスピードで草原を駆け抜けていきました。騎手の衣装をみると「競馬(けいば)」で参列される方なのでしょう。せっかくですので、シャッタースピードを1/60秒ぐらいに遅くして流し撮りの練習をさせてもらうことにします。馬のスピードに合わせてカメラを追いかけてシャッターを切ります。2,3回のトライでなんかうまく撮れたようです。

今年は松の下式の近くで撮影しようと準備をしていると心配していた雨がパラパラと落ちてきました。天気予報ではもう少し遅い時間に降り出す予報でしたが早めに降ってきたようです。会場のアナウンスによると松の下式は中止の方向と。あまり雨が降ると衣装が大変なことになるようで行列の規模も縮小されるようです。
お渡り式やお旅所祭というと寒風吹きすさぶ冬空の下ガタガタ震えながら拝観するというイメージが強くて、あまり雨が降るというイメージがありませんでした。

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日使(ひのつかい)の行列ですが、影向の松までの途中でかなりの人達が行列から離れたようです。アナウンスのとおり影向の松の前では何も所作はなく、列の順序も例年とはかなり変わっています。

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馬長児(ばちょうのちご)の列です。

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競馬の行列です。

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将馬(いさせうま)です。馬上には人は乗らず、その名のように、かつては馬をはやして勇みたたせたようです。”

本来はその前に少年による流鏑馬(やぶさめ)があるのですが、中止となったようです。的を射る少年の姿を姿を撮ろうと的の周りに集まっていたカメラマンが残念そうな顔を見せていました。カメラマンよりは流鏑馬の大役を得た少年のほうがもっと残念だっただろうと思います。

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競馬が始まりました。影向の松近くの馬出橋から出発し、お旅所前の勝敗榊まで二騎の馬が競います。馬の勝敗により左舞の蘭陵王と右舞の納曽利の舞う順番が決まります。例年では二騎づつ三回の競馬があるのですが今年は一回で終わりました。流し撮りを試みましたが朝の練習の成果を発揮することはできませんでした。

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雨のため、行列の構成に大きな変更があったり、待たされたりで、子ども大名行列はお旅所に着くのが遅くなり大変だったと思います。
それでもお旅所の前で「ヒーヨィヤナー」「ヒーヨィマカセー」「ヤッコラサノサー」と元気な掛け声を聞かせてくれました。