奈良市都祁水分神社の秋祭り

2019年10月26,27日撮影

奈良市都祁水分神社の秋祭りに行ってきました。都祁水分神社(つげみくまりじんじゃ)は奈良市友田町にある神社で、大和国水分四社(都祁・宇陀・吉野・葛城)の一つで、昔より水の神として崇拝されている格式高い神社です。

お祭りは10月の第4土曜日・日曜日の2日にわたって行われます。初日は水分神社の神様がもともとおられた山口神社にお帰りになられて一夜をすごし、次の日に水分神社にお戻りになられる神様のお渡りが行われます。

宵宮祭 山口神社へのお渡り

DSC 7293

神様が神輿に移され、13時頃に水分神社を出発し山口神社までのお渡りが始まります。
DSC 7339

神社の参道を越えて、並松池沿いの古い道を通ってお神輿は進んでいきます。

DSC 7443

こちらのお神輿は各大字から選ばれた8人の氏子さんによって担がれます。昔は農業に従事されている方が多かったので重い荷を担ぐのにも慣れていたのですが、さすがに最近の氏子さん達にとってはお神輿の重さがこたえるようです。途中途中の御旅所で休息を取りながら山口神社をめざします。

DSC 7505

氏子さん達は重くて大変でなのですが、少し紅葉が見られる山並みを背景に田んぼの中の古い道を通るお神輿はとても美しいものです。

DSC 7567

田んぼの中にある森神さんの横を過ぎればもうすぐ山口神社です。水分神社を出発してからおよそ2時間、日が傾むきはじめた逆光の中をお神輿が進みます。

森神さんを越えて山口神社に近づく頃に、ちょっとお酒の入った氏子さんが「今日はNHKが来ているから5回まわって5回火に突っ込むぞ!」と大きな声で電話していました。たしかにこの日はNHK奈良の取材が入っていました。まあ、お酒に酔って冗談で皆をびっくりさせる話をしているんだろうと思っていたのですが、、、

DSC 7613

まさか本当に5回火に突っ込むとは、、びっくりしました。氏子さんの衣装とか靴は大丈夫だったのでしょうか?

DSC 7722

神事の後、皆さんお待ちかねのごくまきが盛大に行われました。

都祁水分神社へ還御

翌日の10月27日は、神様は都祁水分神社にお戻りになられます。
DSC 7865

朝10時30分ごろに、お神輿は山口神社を出発し水分神社への帰路につきます。
DSC 7871

DSC 7938
集落の所々で住人のみなさんがお神輿をお迎えされています。

DSC 7921

田んぼの稲刈りも終わり、ススキも生えてすっかり秋めいた道を神輿が通ります。
DSC 7998

二日目は途中から26の氏子地区からの100名を超える大規模な行列となります。馬に乗った甲冑の武士、猿田彦、獅子頭などの大行列です。
この稚児さんが乗っている馬の馬丁さんに聞いてみると、この馬は毎年春日若宮おん祭で稚児流鏑馬で稚児さんをのせている馬で、とてもおとなしい気性のいい馬ということでした。

そういえば、神様が一日外遊されるという設定はおん祭によく似ていてます。春日大社の神事とこちらの東山中の神事が互いに影響を及ぼしていることが伺えそうです。
DSC 8102

都祁水分神社へ戻ってきたお神輿は境内をぐるぐると回ったあと神事が執り行われました。