東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌

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2023年10月13日、15日撮影

今年は東大寺の初代別当、良弁(ろうべん)僧正の没後1250年にあたる年で、東大寺では10月14日から10月16日までの3日間、大仏殿を大きな宝樹や五色幕などで装飾し、前庭で御遠忌法要が厳修されます。また御遠忌法要に併せて多くのアーティストによる奉納公演、秘仏の特別開扉、記念講演会など多くのイベントが行われました。

蜂起之儀 10月13日

明日からの御遠忌法要に先立ち、法会が無事に行われること願って僧侶らが境内を練り歩く「蜂起之儀」が営まれました。「蜂起之儀」は、大きな法要の前に僧兵に扮した僧たちがお寺の境内を巡って安全を確かめる儀式ですが、この前の蜂起之儀は2006年の重源上人の御遠忌だったので4年ぶりに行われた珍しい儀式です。

午後5時ごろ大湯屋(おおゆや)に僧兵姿の僧8人が入られ蜂起之儀が始まりました。

大湯屋の中で何かの儀礼の後、鐘楼への階段を登り天狗を祭る辛国(からくに)社で儀式が行われました。

猫段を降りて、大仏殿回廊横の長池を通り、大湯屋手前の角から龍松院、龍蔵院方面へ、、かなりの早足で東大寺境内をくまなく巡っていきます。

所々で法螺貝を吹き、高下駄の音を響かせながら1時間ほどかけて境内を見回りされました。終わる頃はすっかり日が暮れていました。

良弁僧正御遺徳奉賛伎楽法要 10月15日

今日は御遠忌法要の中日で、朝9時頃、東大寺本坊では今日奉納される伎楽集団の方々が集っていました。

法要に出仕される人たちは東大寺本坊から南大門を通り大仏殿の前庭に入られます。先導の係員の前を鹿が先導しているのがいかにも奈良らしいところです。

今回伎楽を演じられるのは天理大雅楽部とおやさと雅楽会の皆さまです。

東大寺橋村公英別当が輿に乗って中門に入られました。

午前10時に始まった法要では、奈良県合唱連盟の女声コーラスによる盧舎那仏讃歌があり、そして鼓阪小学校児童と有志による「ふるさと」組曲の合唱が歌われ、なぜか涙腺が緩んで年をとったな感じました。

大仏殿の唐破風の上からは何度も散華がまかれ、大仏殿全体が華やかな雰囲気に包まれます。橋村公英別当が良弁僧正をたたえる表白(ひょうはく)文を読み上げました。

その後、良弁僧正の伝説をわかりやすくまとめた伎楽「良弁上人、華厳の悟り(慈悲)」が披露されました。

御遠忌法要が終わった後、鏡池の特設舞台では能が奉納されていました。