御所市安楽寺で夏椿(沙羅の木)が咲きました

2021年6月21日撮影

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京奈和自動車道の御所南ICからJR吉野口方面に向けて走っていく国道309号線沿いに夏椿が咲くことで有名な安楽寺があります。御所市のこの辺りは古代の豪族巨勢氏ゆかりの地で万葉集にも数多く詠まれています。それらの古墳や史跡をめぐる「巨勢の道」ハイキングコースがありますがその一番最後がこの安楽寺となっています。

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二本並んだ沙羅の木の下でお釈迦様が亡くなったので仏教では聖木とされ沙羅双樹とも呼ばれています。沙羅の木は日本の気候では育たないため沙羅の木の代用として夏椿が植えられ6月から7月にかけて白い花を咲かせます。

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安楽寺の境内や鐘楼横に大きな夏椿の木があり、たくさんの白い可憐な花をつけていました。なんでも花の寿命はわずか1日しかなくて、朝に咲いた花は夕方には散ってしまうようです。夏椿の木の下には昨日までの花が落ちており「諸行無常」という仏教の教えを象徴しているかのようです。

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近くで見ると、たしかに椿に似たさわやかな白色のきれいな花で、花弁の周りに細かなギザギザがあります。1日で花が散るようですが、たくさんの蕾がついているので、これからどんどん咲いてさらに花の数が増えてくることでしょう。

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本堂から少し離れた場所に国重要文化財に指定されている塔婆があります。案内の看板によると、この辺りは中世までは葛城寺(かつじょうじ)の大伽藍があり、この塔婆はもとの三重塔の初重が残ったものです。江戸時代の前期に破損が著しい二層、三層と相輪を降ろし初重だけを残したようです。