御所市高天山草園のエビネラン

2021年5月6日撮影
御所市の高天彦神社にほど近い高天山草園までエビネランを見に行きました。高天山草園は個人の方が少しずつ整備して作り上げた美しい植物園で、この時期には2000株のエビネランが咲いて、広い杉林の中を爽やかな空気を吸いながらの散策が楽しめます。
2020年5月30日の記事 御所市高天山草園の散策
DSC 4662

入り口で無人の集金箱に入園料を入れて園内に入っていきます。園内をめぐる散策路のあちこちにエビネが咲いています。

DSC 4552

この花はエビネの中でキエビネと呼ばれる花でしょうか、非常に美しいランです。うっそうとした杉林の中でキエビネが輝いていて、そこに小さなフットライトがあるかのように明るく見えます。

DSC 4570

このように塊となって花を付けているのを見ると、花屋さんでみる高価なランの鉢に負けず、とても豪華な印象です。

DSC 4545

こちらのエビネは少しおとなしい色の花を付けています。

DSC 4550

周りの淡い若葉の色に溶け込んでしまいそうになるほどのデリケートな色です。

DSC 4609

こちらのエビネはもう少し色がはっきりしている個体です。この花の色の違いは個体差によるものか、咲き始めてからの期間によるものかわかりません。同じエビネの中でいろいろな色の個性があって、それらを見比べて楽しむことができます。

DSC 4561

茂みの中でちょっと珍しい花を見つけました。サトイモの仲間で花の中にまっ白いお餅のようなパーツがあるので雪餅草(ユキモチソウ)と呼ばれています。花の周りを包んでいる苞(ほう)が仏像の背景にある炎形の飾りに似ているので仏炎苞といいます。

DSC 4597

珍しい花がもう一つ。花びらがおおきな袋を下げたような形となっている花でクマガイソウと呼ばれます。花の大きさは5,6センチくらいありました。この花も日本の野生ランの仲間ですが、不思議な形の花です。

クマガイソウは源氏の武将の熊谷直実にちなんで名づけられました。一の谷の合戦で敗走している平敦盛の首を討ち取ったのが熊谷直実で、熊谷直実は後ろからの矢を防ぐためにこのようなホロを身にまとっていたようです。ちなみにランの仲間には敦盛草(アツモリソウ)という花もあるようです。

DSC 4599

杉木立の中にツツジが咲いていました。このツツジが終わる頃、この辺りは紫陽花の花で囲まれます。6月になったら紫陽花を見に再度訪れたいですね。